こんにちは、脇です。
先日、中田ぷうさん著「闘う!母ごはん」と、尾田衣子さん著「薬味食堂」の出版記念パーティーへ行ってきました。
場所は、お二人のホームタウン西荻窪に、1日だけ出現した居酒屋。

尾田衣子さんは、普段はイタリアンをメインに料理教室をしていらっしゃる正真正銘の料理家。「薬味食堂」はその名の通り、ミョウガやパクチー、ニラやネギをふんだんに使った薬味料理のオンパレードです。この日のメニューも尾田さんによる薬味料理がほとんどで、簡単なのに美味しいお料理ばかりでした。
塩焼きした魚にもずく酢をかけて薬味をのっけただけのマリネなんて、すぐにでも真似したくなるレシピ。
一方、中田ぷうさんの素顔は実は料理家ではなく、頭キレッキレ敏腕ライターの児玉響子さん。普段は色々な方の本を執筆していらっしゃる方。
「闘う!母ごはん」は、料理本だというのにカレーは市販のルウを使い、出汁は出汁パックに頼り、スーパーで買ってきた寿司や惣菜を遠慮なく登場させる。トレーのままではなく皿に移し替えるのがこだわりで、カップ焼きそばにトッピングしただけ、なんてレシピもアリ。
「こんな本あり?」
初めてこの本を見たときは、もう衝撃としか言いようがなかったです。
コスパの良さと時短重視で、凝ったものを作る気なんてはなからない。
たまにおしゃれご飯を見よう見まねで作ってみたものの、家族から「こんなんじゃ足りない、ご飯と味噌汁ないの?」とか『余計なことしなくていいよ」などと文句が出るそう。

この本は、仕事は忙しいわ、子どもの世話は大変だわ、毎日がてんやわんやで料理に時間なんてかけてられない、そんな母ちゃんのリアルなドタバタ食卓日記なのです。
しかし、よく読んでみると、凝っていないようで実は一手間かけていたり、驚くような裏技があったり、なるほど、と感心しました。
料理の盛り付け、お皿、レイアウト、フォント(文字)の選び方、そして、やや自虐的な文章、と、一見、雑なように見えるけれど、実は全てが計算されていることにも気付きました。「ぐうたら主婦」を完全に演出しているのです。(きっと)だいたい、名前が「中田ぷう」ですからね、ふざけてます。笑
「年季必要なし!簡単に味がキマる 大塚にんじんと里いもの煮物」
「冷えた体にしみるうまさ 妄想白味噌雑炊」
「使うのは黒い調味料だけ 悪魔の炒め物」
と、コピー付きのレシピ名なんて脱帽モノ。さすがライター!

最近、本屋さんへ行くとおしゃれな料理本、ライフスタイル本、美容本...と中身もテーマも装丁もどこかで見たようなデザインが並び、ひどい時にはモデルまで一緒だったり...
正直なところ、そんな近頃の書籍に対して具合が悪くなるほど飽き飽きしていたので、この本はある意味革命的。完全にターゲットを絞り込んだ狙い撃ちです。
実際、料理にこだわり、ゆっくりキッチンに立てる人なんてごく一部。
ほとんどの人が、日々、家族の空腹を満たすためにキッチンで格闘しているのだと思います。
料理すること自体が苦痛、という方もいらっしゃるでしょう。
私自身も、毎日じっくりキッチンに向かっているのかというと、ほとんどそんな日はありません。
夕方になると「今日の夕飯どうしよう...」と憂鬱になることもしょっちゅう。
主婦の仕事には終わりがないですからね。
夕飯を作り終えても、片付けがあり、明日の朝ごはんは何だっけ?とメニュー決めや買い物がエンドレス...
そんな憂鬱な日こそ、きっとこの本は役立つのだと思います。
もしかしたら、この本の存在自体が心の救いになるのかもしれません。