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まにまに

こんにちは、脇です。
西加奈子さんのエッセイ集『まにまに』が面白いです。

日常起こりうるちょっとしたこと、いや、ほとんどの人があまり気にしないけれど、言われてみれば「確かに!そうそう!」と大きくうなずきたくなる"あるあるバナシ"が詰まった一冊。
まにまに西加奈子.JPG
たとえば...
「めっちゃ未来」というストーリー。
散歩中にたまたますれ違った女性が、電動車椅子に乗って顔面を覆うサンバイザーに肘まで隠れる黒手袋、という姿を見て「ロボコップみたいでめっちゃ未来やん」といってみたり。"QRコード"って何?あの排水口のゴミみたいな模様が情報って何なの?と言ってみたり。


たとえば「体毛カースト」。
自分は体毛に関して優越をつけすぎている、というのだ。
髪の毛とまつ毛は大切にするのに対し、他の毛は切り殺すか抜き殺すか...わき毛に至ってはレーザーで焼き殺した、と。死んでいく彼ら(ムダ毛)を見ながら、比叡山の坊主を焼き打ちにした信長もこのような気持ちだったのだろうか...とまで話が及ぶ。

作家の想像力とは果てしないものですね。
どんな小さな出来事もネタにしてしまう観察力と洞察力、そして興味範囲の広さと喜怒哀楽の激しさ。

普段このようなエッセイをほとんど読まないのですが、たまに読むと面白いですね。何回、お腹がよじれるくらい笑っただろうか...一話一話がショートストーリーなので、歯磨きしながら読むのにピッタリ。(歯医者さんに怒られそうですが...)
装丁の『女子感』もいいかんじ。

ところで...
ネット「お急ぎ便無料おためし」を実際に試してみたのですが、昼過ぎにポチっとやったら、その日の夕方届いたのでビックリ。
倉庫から目当ての商品を見つけ出し、梱包して、配送手続きして、配達員の手に渡り、ポストに届くまで...が早過ぎる。
全てが人工知能によるものなのか、それともドローンが上空から運んできたのか...
いえいえ、たしかに最後のところだけは郵便局員からの手渡しでした。

"できるだけお待たせしない"という仕事は、"待てない日本人"にとっては嬉しいサービス。しかし、どうかこのシステムの影で誰かが苦しんでいませんように、と願うのは私だけでないだろう。