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全ての装備を知恵に置き換えること

こんにちは、脇です。
私が最近読んだ本のなかで一番心に響いたのは、
パタゴニアの創始者イヴォン・シュイナードの言葉。

「子どもたちに一度こんなことを教えたことがある。
以前、私と息子が道を歩いていると、車に轢かれた鳥を見つけたんだ。
私はその亡骸を家に持ち帰り、皮をはぎ、さばいて調理をし、食べた。
そしてそのやり方を息子に教えたんだ。
さらに、鳥の羽根からフライを作り、作り方も教えた。
そのフライをもって川に行き、それで魚を釣って食べたんだよ。
私の息子たちはその一連の過程を決して忘れることなないだろう。」
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カリフォルニアの高校を卒業したイヴォンは鍛冶技術を独学で覚え、さまざまなクライミングギアを作り始める。ヨセミテを中心にクライミングしながら、自分の道具を車に積んで売り歩いた。それが、アルピニズムを中心として使えるギア作りと自然環境を常に重視するパタゴニアの理念の始まりである。

そんな彼が、今、他のどんなことよりも楽しいというのが "畑仕事" らしい。
なぜなら、「畑には人間が必要としている生きるためのレッスンが全て含まれている」から。

ほとんどの子供が(もしかしたら大人も)スーパーでパッケージ化された切り身の肉や魚しか見たことがない。そのような環境を提供している大人がいくら「自然を大切に」と説いても説得力はゼロ。実際にフィールドにでないとわからないことはたくさんある。

「全ての装備を知恵に置き換えること」 石川直樹 集英社文庫より

先日、私はこの本を飛行機に持ち込み、成田とハワイの往復の空にいながら、北極や南極、グリーンランドを旅し、イスラエルの死海や、ミルク色に空が発光するアフガニスタンの天の川の美しさを感じた。あまりにも居心地の良い世界だったため、めずらしく同じ本を続けて2回も読んでしまった。

今年はできるだけフィールドにでて、森や川や海を身体でたっぷり感じる時間作ろうと思う。